生前整理として元気で色々と動けるうちに、過去に行った契約等の確認や所有している財産・家財等の整理・まとめを行っておくことは、ご自身に万が一のことがあった時のために非常に大切です。
このページでは生前整理の中でも特に重要となる
- 所有する金融商品や生命保険の契約内容の確認
- 自宅の家財や貴重品の整理
- 認知症等により判断能力が衰えた場合および万が一の場合の備え
を中心にご説明いたします。
具体的にどのような備えが必要なのかを下記にてまとめてみましたので、ご参考にしてみてください。
金融資産および生命保険の契約内容の確認を
ご自身が所有する財産のありかや管理が不明瞭の場合、後々トラブルになる恐れがあります。
特におひとり様の場合は、きちんと財産内容を把握したうえで、適切な生前整理を行うことが重要です。
➀金融資産について
人によっては利用していない口座をそのまま持ち続けているケースもあります。
ご自身が名義の銀行口座や証券口座の残高を確認して、今後も使う予定のない口座は解約するようにしましょう。
名義人が亡くなると銀行口座は凍結され、自由に引き出せないようになります。
ほとんど預金が入っていなくても、相続人や遺言執行者がそれぞれ解約する手続きが生じるため、元気なうちに整理しておいた方が良いでしょう。
多くの口座を持っていると日々の管理も大変になるため、2つ程度に厳選することをおすすめします。
②生命保険の加入内容を確認する
昔加入した生命保険や医療保険の契約内容をきちんと把握していない人は少なくありません。
特に相続においては保険金の受取人が重要となるため、あらためて確認しておきましょう。
万が一、自分の意図しない不要な保険に加入し続けている場合は解約手続きを進めます。
【相続における生命保険の活用目的】
- 代償分割(不動産等分割が難しい財産を取得する相続人が他の相続人に対して払う代償金の確保)への対策
- 相続税の納税資金を確保するため
- 相続税の節税対策として(生命保険金の非課税枠が適用できる)
認知症などにより判断能力が衰えてしまうと、新たに保険の契約を結ぶことはできません。
相続税対策を検討した方は、元気なうちに保険の契約内容の見直しをしておきましょう。
③その他の資産内容を把握する
利用していない土地や、使われていない自動車などを所有していると、相続の際に相続人の手続きが増え、大きな負担をかけることになりかねません。
ご自身の判断能力がしっかりしているうちに、売却や譲渡などを検討して、財産内容をシンプルにしておきましょう。
また近年では「電子マネー」「ネットバンキング・ネット証券の口座」などデジタル遺品と呼ばれる相続財産が増えています。きちんととりまとめておかないと存在すら気づかれない可能性もあるので注意が必要です。
家財の処分について
介護施設の生活は持ち込めるものの種類や量に制限があります。
介護施設への入居のために自宅の売却などを考えているのであれば、その時点で家財の整理が必要です。
しかし、介護施設等に入居を検討するという事は、その時点で身体の自由が利かなくなっている可能性が高く、ご自身で家一軒分の家財を処分するのは現実的に難しいでしょう。
普段から少しずつ断捨離を進めておけば、いざという時に大きな負担を抱えることなく安心です。
自分に万が一があった際に、周囲の人に迷惑をかけないよう事前に準備をするということが生前整理のポイントです。
あらかじめ遺品として残したい必要なものと、処分しても問題のない不要なものを分けて、分かるようにしておきましょう。
法的手続きを準備しておく
上記の準備に加え、各種契約書を作成しておけば、いざと言う時に困ることなく対応が可能となります。
特におひとり様にとって重要となる契約および書面が以下の3つです。
【任意後見契約】
認知症などを原因として判断能力が衰えてしまうと、ご自身でさまざまな契約を結ぶことができなくなってしまいます。
また、詐欺の被害などにあう可能性も高くなり、望まない契約書に判を押していたなど、騙されて財産を失うことも。
そのような方をサポートするために2000年に開始した国の制度が「成年後見制度」です。ご本人(成年被後見人)に代わって財産の管理や契約を行う人を「成年後見人」といいます。
成年後見制度には法定後見と任意後見があり、認知症を発症する前に任意後見契約を結んでおけば、後々認知症となった際に後見人となる人を決めておくことができます。
【死後事務委任契約】
生きているうちに葬儀や納骨、各種契約の解約手続きなどといった死後に必要となる手続きを、第三者に委任しておく契約になります。
【遺言書】
遺言書とは自分の財産を誰にどの財産をどのように分けるかという意思をまとめた法的な書面のことです。
遺言書が残されている場合は、基本的に遺言書に沿って遺産分割を行う事になります。
遺産相続のトラブル回避や相続人に大きな負担をかけないために事前に準備する方が増えています。
遺言書にはいくつかの方式がありますが、紛失や第三者による破棄のリスクを抑えるためにも公正証書遺言での作成がおすすめです。
生前整理を行う際のポイントについて
➀生前整理は早めに始めましょう
認知症などによって判断能力が低下してしまうと、生前整理に必要な各種契約書を作れなくなってしまいます。ご自身の望む形で財産管理や今後の生活の準備を行いたいのであれば、健康に問題のないうちに着手し始めることをおすすめします。
②財産関連の書類は一つにまとめて、情報をきちんと整理・記録しておきましょう
財産に関する書類がバラバラに保管されていたり、情報がまとまっていなかったりすると、ご自身の死後に相続人が財産内容を把握できず苦労する可能性があります。
所有する財産の一覧表や不動産等の契約情報を紙やデジタルデータなどでまとめておき、信頼のおける人に保管場所を伝えておくのも一つの手です。エンディングノートを活用するという方法もありますが、遺言書のように法的な効力をもつものではないので、遺贈したい相手がいたり、死後事務を任せたい方がいる場合は、きちんと遺言書や死後事務委任契約書を作成しておきましょう。
③迷ったときは専門家へご相談ください
こちらのページをお読みいただき生前整理について理解が深まったとしても、いざ自分が始めるとなると尻込みしてしまう人も多いのではないでしょうか。身の回りの整理はできても契約書の作成まで進められないという方もいらっしゃるでしょう。
生前整理では法的書類を作成することも多いため、知識がない方にとってはなかなかハードルの高い手続きかもしれません。中途半端な内容の契約書にしてしまった結果、希望通りにならないことも考えられます。
生前整理は死後に関する準備以外にも、今後年を重ねていくにあたりより安心した老後の生活を送るためにも非常に重要です。生前整理をはじめたもののうまく進められないという方は、専門家へ相談いただくことをおすすめしています。
いきいきライフ協会®では、生前整理を含め身元保証、死後事務についてのご相談を随時お受けしております。初回のご相談は完全に無料です。まずはお気軽にいきいきライフ協会®にお問い合わせください。