人が亡くなった際に、多くの方が頭に浮かぶ事柄として「葬儀・供養」があげられると思います。ご自身が亡くなった際にはどんなお葬式を行いたいか、どんな供養をして欲しいかといった希望を叶えるためには、自分の意向を生前に決定し、それを実行してもらえるように信頼できる方に依頼をする必要があります。そのためにご活用頂きたいのが、こちらのページでご案内する「死後事務委任契約」です。葬儀と供養のそれぞれの種類や死後事務委任においてどうやって自分の意向を叶えてもらうのかについて、説明をいたします。
葬儀の種類
昨今、葬儀は様々な種類がありますが、大きくは以下の3種類の葬儀に分けられます。ご自身はどういった葬儀が良いでしょうか。
一般葬
最もイメージされる方が多い方式が、通夜・葬儀・告別式を全て執り行う「一般葬」だと思います。その費用は参列者の人数による規模で大きく変わってくるものの、こちらでご説明する3種類の中では最も費用がかかります。参列者を20名~50名程度として考えた場合ですと80~120万円程度は考えて費用の用意をしておく必要があります。
家族葬
親族や親しい友人だけで小さなお別れ会を行った後、火葬場で荼毘に付される方式が「家族葬」であり、こちらをご希望であれば40~60万円程度の費用が一般的です。家族葬の場合、通夜は行わずに葬儀や告別式を1日で行う「一日葬」もあれば、一般葬と同じく通夜と葬儀、告別式を行うケースもあります。
火葬式(直葬)
お通夜や葬儀、告別式などの特別な儀式を行わずに、火葬場に直接搬送されて荼毘に付される方式が直葬とも呼ばれる「火葬式」です。おひとり身の方は直葬を選ぶ方もいらっしゃいます。短時間で終わり、かかる費用も20万程と3種類のなかでは最も抑えられるものの、お別れの時間が十分に設けられないために遺された親戚やご友人が心残りに感じられる事も考えられます。
供養の方法
葬儀が終わった後に行う供養の方法も、ご自身の希望を考えておきましょう。供養については、遺されたご家族のお気持ちについても含めて考慮し、より良い供養方法を選択しましょう。供養の形は時代とともに多岐に渡っており、様々な方法をご紹介いたします。
永代供養墓
「永代供養墓」とは、永代供養料を支払うことによって、お墓の維持費や管理費を負担せずに供養や管理を墓地や霊園等の管理者にお任せする方法です。お墓の供養や管理を、遺されたご家族ではなく、その管理者へお願いする事が可能です。お墓の継承者が居ない方や、遺されたご家族にお墓に関する負担をかけたくない方などに、選ばれている方法です。ご注意頂きたいのは、一般的な永代供養は期間が設けられて、その後は他の方と同じ場所に供養される合祀が行われる点です。合祀の後の個人の特定は出来ませんので、手元供養への変更や改葬は行えません。そのことも踏まえて慎重に検討が必要です。
納骨堂へ納める方法
遺骨を納骨堂という遺骨を収蔵できる屋内型施設へ納める方法です。一般的なお墓への埋葬に比べると埋葬費用は抑える事ができます。また、納骨堂が屋内にあるので参拝者が天候を気にする必要がない事はメリットと言えるかもしれません。
しかしながら、永代供養と同じく様々な制限が設けられていることがある事を、しっかりと考慮しましょう。期間満了後は合祀される事もあり、それ以外にもお供えの内容や預けることができる遺骨の数などが決まっている場合もあります。不明点や注意点についてしっかりと納骨堂に確認いたしましょう。
樹木葬
樹木葬は、昔ながらのお墓問題を解決できる新しい供養のありかたとして、少しずつ広がっています。従来の墓石を用意する方法ではなく、お寺や霊園内の敷地にある樹木や花などの植物といった自然物をシンボルとして、その周辺に遺骨を埋葬します。死後は自然に帰りたいというお考えの方に選ばれており、墓石に対する費用やその後の継承者問題も解決できる方法として考えられています。デメリットとなるのは、墓石がないのでお参りがしにくい点や、樹木や花といった自然物は枯れてなくなる可能性も十分にあるという点です。
海洋散骨
こちらも自然を利用した供養方法で、海が好きな方や死後は海に帰りたいと考えていらっしゃる方の気持ちに添うものと考えられています。海洋散骨は、火葬後に遺骨を砕いて、粉になった遺骨を海洋に散布する方法です。最近では海洋散骨プランを提供する事業者も数が増えて、身寄りのない方が契約する事も多くあります。しかし、海洋に散布するためには遺骨を粉状に砕く必要があるので、その事に抵抗を感じる方はもちろん、その他海洋散骨についての色々な注意点を踏まえた上での検討をしなくてはなりません。
現在お墓があるという方
ご自身の葬儀や供養の検討を行う場合、今あるお墓の今後についても考えなければなりません。もし先祖代々引き継いでいるお墓があって、今後その管理が出来なくなってしまう状況が考えられる場合、そのお墓をどうしたら良いかを検討する必要があります。
現在あるお墓を撤去して墓所を更地にした上で、そのお墓の使用権をお寺や霊園の管理者側に返還する行為を「墓じまい」と言います。色々な事情があってお墓を承継することができない場合は、墓じまいについて考えましょう。但し、墓じまいは行政の手続きを必ず行う必要があるので、手続きを行う事なく勝手にお墓の遺骨を取り出したり廃棄したりという行為は厳禁です。
そして、お墓を引き継ぎたいが自宅と離れているので管理が大変だという事情がある方には「改葬」という、お墓のお引越しについても検討に加えて頂きたいです。改葬とは、遺骨を現在のお墓から取り出して別のお墓に納めるというものです。
しかし、まず念頭に置きたい事は、お墓は先祖代々継承される大切な財産であるという考えです。家族や親戚との相談をして合意が得られないままに「墓じまい」や「改葬」といった一大事を進めてしまう事は、その後の大きなトラブルを生む可能性があります。関わりのある家族や親戚には必ず相談をして、検討を進める事が大切です。
「死後事務委任」ではじめる葬儀供養の生前準備
身寄りのないお1人の方や、様々な事情から死後の対応を家族や親戚に頼むことが難しい方は、葬儀や供養および、ご自身の遺産の分割などを誰にお願いするのかといった内容を、お元気なうちからの検討をお勧めいたします。
いきいきライフ協会®では、身元保証・死後事務に精通した専門家である「身元保証相談士」が「死後事務委任契約」を通じて、生前に行っておくべき対策についてサポートさせて頂きます。いきいきライフ協会®では初回無料相談を行っておりますので、ご自身の死後に関する様々な手続きに対してご不安を感じていらっしゃる方は、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。